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力ある言葉

 昨日(2015年2月28日)は、東京・目黒にある、早春の自然教育
園を吟行しました。参加者16名でした。

 園内は、文字通り、早春で、目ぼしい句材としては、蕗の薹、野
蒜(のびる)、藪椿、小鷺などがありました。

 この句会のきまりは、各人10出句、7句選、そのうち1句を特選と
して選ぶ、というものでした。

 自画礼賛になりますが、なんと、この日、私の以下の句が、5人
の方から「特選」に選ばれました。こんなことは珍しいことです。 

・天地のとこよの馳走野蒜掘る
・舞ひ降りて四辺の主や春の鷺
・をしみなく蜜を散らせて椿揺る
・ぬかるみに足とられつつ春の鷺

 いくつかの賛辞のほかに、当然のように批判もありました。
 以下、いかにも大袈裟、あざとい措辞ではないか、という指摘で
す。

 第1句の「上五」―→「天地」
 第2句 「中七」―→「四辺の主」

 目下の私の句への批判・指摘は、おおよそ以下の通りです。
・ 大袈裟
・ あざとい
・ 強い言葉が並びすぎ

 俳句は韻文です。しかも5・7・5の17文字に言葉を圧縮させて、
一挙に発散させます。また、17文字という世界でも最も小さな詩形
ですから、潜在的に「大きく」詠みたいという気持ちが作者のここ
ろの底にあります。

 そこで、ついつい力のある言葉を選ぶことになります。季語は、
もともと強い力を持つ言葉です。「中七」は、一般的に作者が最も
こころこめる手触り感のある言葉を駆使するところです。当然のよ
うに、力のある言葉を並べがちになります。

 たとえば季語を「上五」に置くと仮定すると、以下のようになり
ます。

 「上五」強+「中七」強

 これに「下五」に、力のある強い言葉をつけると、

 強+強+強

 となり、力のある言葉の羅列になります。強と弱が組み込まれて、
音楽(俳句は韻文、いわば音楽)になります。私の句は、強+強+強
ばかりの単調な叫び声、これでは読者の心を捉えないという訳です。

 これを如何にのり超えるかが、私の課題です。 

 なお、私が選んだ7句のなかの、特選の1句は、以下でした。

・うぐひすやおにぎり口に入れしとき
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